2010-03-18 君の後ろにメディアの影

伊藤俊治×菊地成孔 対談連載「vol.1 パリは終わってしまったのか?」@Numero TOKYO
菊地:それこそ僕のイメージだとファッション誌とかが自分で自分の首を絞めるといったら変ですけど、パリ以外の観光地が素晴らしいんだということを啓蒙しちゃったんだと思うんですよ。クロアチアやプラハが面白いだとか、あたかもパリは見尽くしただろうっていうようなイメージの観光紹介が非常に盛んになって、そうすると60、70年代には考えられなかった、日本の観光客がプラハとパリを比べて、どっちかっていうとプラハのほうがいいよねっていうOLが出てきた…
一昨年の夏にルーマニアへ行った後、クロアチアのドブロブニクに行きたいと思っていました。
(ルーマニアと似ていなくもないオレンジ屋根の町並みと海の幸が魅力的。が、近年のOL人気により航空券が高騰しているとかいないとか)
しかし昨年の春先、もうひとつの行ってみたかった国、プラハへ向かうことにしました。
(数ヶ月振りに取れた休みだったのだけれども、成田空港初の墜落事故に遭遇して結局行くことは叶わなかったという以下略)
夢にも思っていなかった。まさか、自分の嗜好が雑誌の影響を受けていたとは。
ファッション雑誌は勿論、旅行雑誌や女性誌も、ここ数年はめっきり読んでいない。ファッション系、ライフ系の最新情報はウェブの方が断然早いしレビュー数も多いので、雑誌を読む必要性がなくなってしまったと言うのが原因なのだけれども、それにも関わらずわたしの嗜好はファッション誌が意図するところとぴったり重なっていたという…。
本屋に平積みされる雑誌の表紙や電車の中吊りを見て知らず知らずの内に影響を受けていたのでしょうか。
あるいは、もっと大きな世間の流れとしてプラハやクロアチアを後押しする力が働いていたのでしょうか。
完全に自分のパーソナリティーだと思っていたものが、実は外界の大きな力によって、しかも自分が気付かぬ内に形成されたものだったと言うことは、ちょっとぞっとしない私的出来事だった。
